ロンドンより 2013年8月25日分
8月の月末は、欧州視察旅行に来ています。現在ロンドン(8月30日朝)。
全国訪問看護事業協会が企画した『オランダ・イギリス訪問看護関連視察旅行』です。役員や関連委員など総勢16名。詳しくは、別な機会に報告しますが、概略をちょっと。
オランダ
最近世界中から注目されているオランダの在宅ケアのやり方。それは、単品サービスの積み重ねの在宅サービスではなく、高い教育を受けた看護師等の集団に包括的に委託すると、利用者満足度が高く、しかも社会的コストが3割安くできるという実践なのです。その事務所が1か月10か所程度新規開設され現在600か所以上で7000人の職員が働いている。本部機能(職員)はたった30人。
その実際を見たいとアムステルダムから100km以上離れた(車で2時間以上)アルメロという町でボスの説明を聞き討論し、実際に同行訪問もしました。その運営の方法はとてもユニークです。①職員(看護・介護)は1チームが10~15人、②管理者を置かず、対等・みんなで管理の実践部隊、③圧倒的にITをうまく使っている。(7000人がipatを使用)
なかなか面白い社会的実験のような取り組みです。疑問だらけで視察に行ったのですが、実際をみて『なるほど』と感がさせられることがいっぱいでした。日本で同じような考えでできるかどうか?? NO & YES
イギリス
私にとっては、33年ぶりのイギリス。33年前、25歳の時にNHS(国民医療福祉サービス)とその中での在宅ケアを学んだんでした。その後、マスコミで見聞きする程度だったのですが、さまざまに:驚きの連続です。第2次世界大戦後、1948年にイギリスの労働党政権の時にNHSができて、“ゆりかごから墓場まで”国が保障するという社会保障制度ですが、その後財政危機もありどうなるかと思っていましたが、NHSが存続していることは素晴らしい。そかし、実際の運営の方法は変化の連続のようです。政権が変わると方法が変わるというのが常識化されているほどです。
どういう中で、現場の看護・介護の人たちがどんなふうに動き、どんな課題を持っているか・・・。苦悩も見えてあたそれをどう解決しようとしているかも垣間見れてさまざまに勉強になりました。
どちらの国も看護職の方々との討論だったので、共通することや大事にすることもよくわかったし、逆に日本のいい点・すばらしい点・大事にしたい点も少し見えたように思いました。教育制度、資格の違いなど一言で「看護師」「介護職」といえない事情も詳しく把握しないと、制度を作るときに間違ってしまうなあとつくづく思いました。
涼しい
猛暑の日本からアムステルダム・ロンドンに来ましたが、涼しいんです。ダウンジャケットを持ってきた仲間もいるのですが、正解です。冷房が必要ないとのこと。
晴れて気持ちがいい郊外の景色や何世紀も前に作られた建物・町をみて頭の中は喜んでいるようです。