「看護」っておもしろい?
「看護」っておもしろい? 2014年4月5日分
先日、40歳代の看護師さんと食事をする機会がありました。彼女(Aさんとしましょう)は、病院での看護経験が長く、様々な科での実践活動をしてきたとのことでした。
「“看護がおもしろい”という看護師に出会ったのは、2人目です」
私が、訪問看護についておしゃべりをはじめました。「こんなことがあった」、「こんな利用者さんがこんなふうに変わった」、「こんないい看取りだった。家族も素晴らしかった」など、しゃべりはじめたら止めどもなくしゃべってしまいます。
そしたら、Aさんが「こんなに看護が楽しいと目を輝かせてお話しする人に出会ったのは、2人目です」というのです。
「そんなことないでしょう。私の周囲には、看護がおもしろいといって実践している人がたくさんいますよ」
「そうですか?」
「そもそも、看護っという仕事はおもしろいと私はおもいますよ。そう思えないとすれば、何かがうまくいっていない・・・」
「病棟では、医師のオーダーにそって、常に電子カルテ(コンピューター)に向かって、事故を恐れながら緊張しっぱなしの勤務。患者さんとゆっくり向き合う時間等なく、夜勤・交代勤務で体はボロボロ・・で疲れ切ってしまう。仕事としてやっている人ばかりで、看護のおもしろさなんて話す人はいないですよ」
それは困った
それは困ったことです。看護師を目指す人は、どちらかといえば正義感が強く、弱者といわれる人のために何かできることをしたいという思いが強い。ちょっとした人とのコミュニケーションを糧としてやりがいを感じたり、相手の方の笑顔で疲れが吹っ飛んだり。意識的に実践すると本当におもしろい仕事なのです。
それが、最近の日本の医療の現場では、専門家としての看護の仕事のおもしろさを感じられなくなっているのでしょうか・・・。全体を把握しているわけではないのですが、そんな危惧を感じます。それは、看護師にとっても、患者・利用者にとっても不幸なことだと思うのです。
私の力でどうこうできるわけではありませんが、『訪問看護』はより専門性を発揮でき、おもしろさを比較的実感できる環境にあるかもしれません。