『ずっと心に残る19話』『平穏死』 

『ずっと心に残る19話』『平穏死』    3月5日分

 昨日、東京新聞の封筒で荷物が届きました。?と思いながらあけてみたら1冊の本が入っていました。題名は、『下町っ子戦争物語ーーずっと心に残る19話』(早乙女勝元著、東京新聞出版)です。早乙女氏とは、かなり昔(30年位前からかな)親しくさせていただいており、お互いに本を出版するたびに送っているので、私は大体の本(でも半分くらいかな?)は読んでいます。どの本も大事な社会問題をわかりやすく書いてある本です。
その中でも今回のこの本は、とても心に染み入りました。早乙女氏は、「東京大空襲といえば早乙女勝元」といわれるほどの方で、ご自身も空襲にあわれ、その惨事を記録に残すようにずっと取り組んでこられた方です。江東区に民設で「東京大空襲・戦災資料センター」を作る先頭にたち館長もつとめられています。

12歳で東京大空襲を

 酒宴を共にする機会もたまにあり、よくお話を聞いていたので、早乙女氏のことは、おおよそのことは知っているつもりでいたのですが、実は殆ど知らなかったんだということが、この本を読んでわかりました。
子どもの目からみて戦争がどういうふうに始まり、周囲の大人はそれをどういうふうに受け止め、実際の空襲などがどうだったのかが、手に取るように表現されているのです。話や他の本や写真で見聞きしていましたが、実際に子どもである早乙女氏が体験した東京大空襲の様が目に浮かぶように表現されているのです。悲惨さだけがかいてあるのではなく、子どもがその時代をどんなふうに生きたかのたくましさも見えます。“庶民”が見えるとでもいうのかな。
改めて戦争ってなんなんだろう!?とつくづくため息がでました。今どうしてこの本がと一瞬思ったのですが、あっというまに読んでみて、戦後65年の今、また読み・そして次世代に伝えなければならないのだと思いました。早速、我が子どもたちに読むようにすすめよう。
早乙女氏がいっています。「東京大空襲」と「関東大震災」の区別がつかない若者に会い、『過去の教訓を学ばぬものは、再び同じ過ちを繰り返す』という警句が胸の内に甦ってくると。
何だか新鮮な感覚で受け止められる本なんです。

『平穏死』
 今年の目標である“本を週●冊読むぞ”をしっかり守っています。ジャンジャン本を読んでいます。その中で1冊の本を紹介します。『平穏死』(石飛幸三著・講談社)
友人からプレゼントしていただいた本。『死』に対していろいろな表現がある。たとえば、安楽死・過労死・在宅死・自然死・・・。しかし、この『平穏死』という言葉ははじめて聞きました。はすに構えて読み始めたのですが、なかなかおもしろかった。この本はきっとすごく話題になると思う。いままで中々いいたくても大きな声でいえなかったこと、あるいは本などで活字にしにくかったことを書いた本。 Amazonの紹介では「「特養」常勤医が現場から初めて告発。特養ホームの介護現場では、胃に管を通して栄養注入する胃ろう手術や多量の点滴が肺炎を誘発している。数少ない常勤医が過剰な医療をしない平穏死を提案する」と。
 長年外科医として第一線で直す治療をしてきた著者の医師が、定年後、世田谷区の特養ホームの医師となり、人間が老いて死んでいくときの医療のかかわり方についてかなりはっきりといっている。点滴や胃ろうでのチューブ栄養は必要ない場合が少なくないのではと。
 在宅や特養ホームなどの生活の場での医療のあり方、人生の最期の看取り方を国民全体で考え直す必要があると思うのは、私だけでなく多くの人。この本は一石を投じているように思う。ぜひ、ご一読を!
 
いい本があったら、ぜひ私に紹介してください!! 読書は楽しい!!