『支えられてーALS療養者になって』
『支えられてーALS療養者になって』 9月15日分
全国の方から話をするように声をかけていただき、出向いています。私が何かを話して啓蒙するというよりは、『伝え、いっしょに考える』出会いです。講師の役割でおじゃまするのですが、実は私のほうが勉強になることが多いのです。だから頑張ってお受けするのです。
先日も、群馬で2つのこと・人に出会いました。
訪問看護師がALSを患って
群馬の方々とのお付き合いは長くて深いです。今回も『訪問看護と倫理』ということで私の知る限り、考えつく限りお話をさせていただきました。リスクマネジメント・医療の場のリスクと生活の場のリスクの違い・虐待や安楽死問題にも実際の利用者への看護・支援を含めた内容でした。
それは無事、お役目を果たした(たぶん)のですが、その終了後にある男性がお話をされました。「僕の妻は訪問看護師でした。実は、妻がALSになって要介護・要看護状態になっています。訪問看護師の仲間のみなさんに一度お話を聞いていただく機会があったのですが、それも含めて、このたび自費出版で本を出版しました。よろしければ、皆様に読んでいただき普及していただけるとありがいたいです」というようなことをお話なさいました。
それで私にその本を託してくださいました。私は、帰りの電車の中で読み、不思議な感覚を覚えました。
気負わず広い心で現実を直視している姿に惹かれました
生まれたときに仮死状態で数時間経過観察で、だめだと判断され、ほぼ“死産”の烙印が押されかかった瞬間に産声をあげたという“命”の持ち主です。生まれた瞬間から何だかおもしろい・変った生き方をしてきたような・・・。子ども時代の出来事・考えたこと・・・、キットちょっと変っている人とみなさんに思われてきたのではないかしら。
ALSになったこと、職場での仲間の支え、呼吸補助の様子、家族の心のうちなど多様なことが綴ってあるんです。しかし、よくある闘病記とはなんだか違うんです。
私は、直接お会いした記憶はないのですが、私が想像するに、この方は見栄っ張りの頑張りやさんで、仕事も家庭も手抜きができず精一杯突っ込む人で、負けずぎらいなのではないかと思います。弱い自分を見せるのがイヤで(苦手で)・・・。違ったらごめんなさあいね。
訪問看護しとして人のために仕事をしてきた人が、最も難しい病気の一つといわれるALS(神経難病・アミトロ・筋萎縮性側索硬化症)になり、誰かの支え・力がないと日常生活を送ることが難しいということに直面なさっている。それなのに、その悲痛感を感じない。書かれている中身を読ませていただく限り、ご自分自身の内面と向き合い、周囲の人たちを改めて見つめなおし、気負わず広い心で直視さなっているように見えるのです。ちょっとの無理があるかどうかは分かりませんが、なんだか惹かれるのです・・・。
牛久保結紀著『支えられてーALS療養者になって』
牛久保結紀さん(たぶん、40歳代後半、子どもさん3人)は、写真で見る限りは“美人”。本を自費出版しました。どうぞご興味のある方、以下に連絡してください。訪問看護師・ケアマネ・医師にとって勉強になるのは、ALSの呼吸苦についてです。本人でないとわからないといってしまってはそれまでです。少しでもその状態を自分で推測できるように、そして専門家として少しでもよりいい方向でサポートするためのヒントを生の声で語ってくださっています。絶対勉強になります。
本やご本人にご興味のある方は、以下に。
電話・FAX 0270-32-7370
email u_yuuki330@yahoo.co.jp
2つ目の出会いのことにつては、またの機会に。