『訪問看護元気化計画~現場からの15の提案~』
『訪問看護元気化計画~現場からの15の提案~』 6月15日分
6月15日付で、医学書院から『訪問看護元気化計画 ~現場からの15の提案~』という単行本を出版させていただきました。執筆は、私と川越博美さんです。2025年を描いて夢を語り、15の提案にまとめたものです。現在の日本の訪問看護の現場・現状がどうなっているのかがわかり、この先をいっしょに考える材料が詰まっているかと思います。ぜひ、ご一読を!!
以下は、本の「はじめに」の一部です
全国行脚をさせていただきました
私たち二人は、不思議な縁がありました。年齢は10歳くらい離れているのに何だが気があって約20年弱の付き合いになっています。私たちが知り合ったのは、1992年訪問看護ステーションの制度がスタートした年です。東京で各々がステーション立ち上げに奮闘し、その後、1993年に東京訪問看護ステーション連絡会を設立の中心的メンバーとして動き、そして現場からの発信を試みてきました。(宮崎は、「北千住訪問看護ステーション」、川越は、「白十字訪問看護ステーション」)
二人で、全国の訪問看護の現場訪問しようと話し合ったのが2007年6月です。それぞれが多様な状況に接し(病気など)、日本の訪問看護のこれからを原点に返って考え直そうと思ったのです。そこで、全国の現場に直に接し、そして現場の皆さんと語り合い、今後をともに考えることを全国の皆さんに呼びかけました。
2007年9月から2008年8月まで、月1回の現場訪問を12回に渡って実施させていただきました。(一覧表参照)そしてそのことを、雑誌『訪問看護と介護』医学書院発行に連載で掲載させていただきました。
全国行脚の主な内容は三つです。①訪問看護同行・・・ ②都道府県の訪問看護ステーション連絡協議会などの皆さんと屈託なく語り合う会、③私たちの講演会『訪問看護――着た道・行く道』。15ヶ所の訪問看護ステーションで受け入れてくださり、35軒の利用者宅を同行訪問、語り合う会では、豪華な食事を共にし(ところによってはいっしょに宿泊し)、そしてのべ1200名の訪問看護師の方に講演を聞いていただきました。まずは、受け入れてくださった方々、本当にありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。
その全国行脚の中で感じたこと、考えたことをまとめて発信しなければならないと自覚し、私たちなりにまとめてみました。
私たち二人の“夢”の表現であり、『提言』です
政治も、社会保障も、国民の生活も先行きわからない状況の中で、2008・2009年を一つの定点として、日本の訪問看護を概観してみました。そして、今後の日本の訪問看護のあり方について、二人で“夢”を語りその実現の姿を提言させていただいたつもりです。「まだまだ足りない、貧弱だ」と同時に、逆に「こんなことできるはずない」と両面からのご批判があるでしょう。これが、私たち二人の到達点です。
第1章では、日本の訪問看護の現状を全国行脚で見たこと・出会ったことと統計とをミックスして表しました。
祭2章は、『15の提言』です。今後の日本の訪問看護、いいえ地域での看護師の活動について提言・呼びかけです。
私たち二人は、あまり制約を受けずに自由に発言できる身分です。エビデンスもしっかりしていないとお叱りを受けるかもしれませんが、長くこの分野に携わってきた者として、未来に向けての精一杯の発信です。