さくらんぼ

さくらんぼ        2013年6月5日分

私の実家は、山形県寒河江市のさくらんぼ農家です。この季節になると頭の中はさくらんぼだらけになります。

小学生のころから
 私の口にさくらんぼが届いたのは、いつごろからだろうか。たぶん小学生のころだと思います。さくらんぼの木を3本植えていたのです。
戦後満州などからの引揚者が村からちょっと外れたところの山を開墾して集落を作っていました。そこにさくらんぼを植えたようです。そこから村ではあちこちの農家が苗を植えたとか・・・。有名な『佐藤錦』という品種は、私の村ではないですがさくらんぼ農家の佐藤さんが品種改良したものだそうです。私の家のさくらんぼの木の種類は、『佐藤錦』『ジャボレー』と『ナポレオン』でした。
夕方、学校から帰ると「わかこ、桜桃(おうとう)食(け)」といわれ、洗ったばかりの籠いっぱいの桜桃を口にほうばりながらテレビを見ていました。 “なんとおいしいんだろう”と たくさん食べていました。私は、『佐藤錦』も好きでしたが、『小粒で深い紫色のジャボレー』も大好きでした。たくさんの種類があるのです。

両親が子どもを育てるように
 その後、両親がたくさんのさくらんぼの木を植え、収穫量が増えました。ただし、木を植えたからすぐに収穫が出来るわけではなく、収穫できるまで数年、あるいは10年以上もかかる場合もあります。たくさんの実が木についても熟したころに雨があたると割れてしまって売り物になりません。栽培が非常に難しい果物です。今は、臨時のビニールの屋根を作って雨対策をします。
 農協に出荷するときは、缶詰用にまだ赤くならなくて青いものをもぎ取ります。しかし「真っ赤に熟してこんなおいしいものを青いうちに収穫するのはなんだかもったいない」と、両親も私も思い、完熟で友人・知人にこの味を楽しんでいただこうと紹介するようになりました。
 両親は、みなさまからの「おいしかった」の一言がうれしく、収入は気にせず、手をかけ、独特の有機の肥料をまき、土を作ってさくらんぼ作りに励んできました。傍で見ていると、まるで『子どもを育てるよう』でした。霜の時期は、周囲の空気を暖めなくてはと、朝暗いうちから畑に行き、古タイヤを燃やしたり・・・。
 父は他界したのですが、母と兄が精を出して作っています。

兄からの便り
「地元では、さくらんぼのことを『桜桃(おうとう)』と呼びます。桜桃農家が高齢化して、わが村でも桜桃栽培を断念して木を切ってしまう人が何人かいます。寂しい状況ですが、さくらんぼ栽培は繊細でかつ危険な作業でもあり、致し方ないとあきらめるしかないです。
気候は不安定で、今年はどういう出来になるか“よめない”状況です。しかし、毎日のように桜桃畑に通い、子どもを育てるように声をかけながら育てているところです。今年もおいしい桜桃を皆様のところにお届けできるようにがんばっております。どうぞ今年の味をお楽しみください」

もしよろしければ
 私のブログを読んでくださっている方々、ありがとうございます。さくらんぼを楽しみたい方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。販売というよりは、家でできたものをみんなで分けて楽しみましょう!という意味合いです。さくらんぼの傷みを少なくするために選別しないで大小さまざまの詰め合わせです。早朝暗いうちから収穫し、その日のうちに発送しますので九州などは翌々日になりますが、そうでなければ翌日にお届けできると思います。石垣島の方からの味わった便りが届きます。なんだか驚いてしまいますがうれしくなります。
 詳しいことについては、メールでお知らせいたします。私と会ったことがない方でも結構です。どうぞ気軽にお問い合わせください。
Mail info@miyazaki-wakako.jp

私も有志の友人たちも月末は収穫の手伝いに向います。みんなでわいわいやっています。