どうする、この2009年?

どうする、この2009年?  1月5日分

2009年1月5日の主なニュースは、日比谷公園に数日だけできた村『派遣村』の話題で、505人が登録したそうだ。夕方に、都内4ヶ所に移動して住む場所とそれなりに食べ物を保障する期限付きの対策。官庁街、皇居、高級ホテルありの一等地でのアピールは、実感できない人たちに見える形で示す効果的な方法だと思った。などというのは、失礼な言い方で、仕事がなく収入がなく住むところも食べ物もない、どうしていいかわからない切羽詰った行動だと思う。
 マスコミに出てこないところで、同じように生死が迫っている人が想像以上いる。

大阪市内だけで、年間200名の凍死者・・・
 先日、尼崎で聞いた話。特別養護老人ホーム園田苑の「園田苑だより」の中にこのように書かれている。「今冬3回目の釜が崎野宿者支援に向かった。・・・布団、冬物衣類などを届ける・・・。私が野宿者支援に関わるきっかけとなったのは、一枚のビラだった。釜が崎訪問と大阪市内の公園での野宿者聞き取りフィールドワークへの参加呼びかけだった。・・・公園でであった野宿者があまりにも若い年齢だったことに驚くとともに、野宿者がほとんど何らかの疾病を持っていたことを知らされた。さらに、冬期に野宿者が凍死している現実も知らされた。それも半端な数ではない。大阪市内だけで年間200人を超す凍死者がいるという・・・」施設長・中村大蔵氏著
 この日本で、凍死者が大阪だけで200人も・・・。何たることか! 何かが間違っている!

小さくてあたたかい動きも
 関連の犯罪も後を絶たなく暗い2009年の幕開けである。でもニュースの端端にあたたかい動きを報じる記事もある。解雇者が続出する中で少しでも採用しようと、ある会社の役員や職員の給料を減らし新たに採用・雇用者を増やそうという動き。炊き出しをしてあたたかいものを食べて新しい年を迎えようとするボランテイア。私は、画面を見ていて、大地震の時の日本中の支援の心と行動に似ていると思った。太一打ちできない自然災害がどこにでもやってくる。それをみんなで支えようという動きである。しかし、今回の金融危機・経済危機は自然災害に近い予測・予防できない事態なのだろうか? ある意味では人災なのではないだろうか? 
それはどうであれ、日本人には、まだ連帯・互助の精神があり、みんなができることをしようと動いていることにあたたかさを感じる。冷たい眼で見て、批判ばかりする人、あるいは関心を寄せない人、またわかっているのに何もしない人はよくない。できることを勇気を持ってやってみよう!

介護の分野の仕事を!
 「派遣村」の人たちのかなりの人が生活保護を申請するという。私は、どうしても疑問に思うことがある。若者が仕事がなくて住むところさえなく生活保護を受けるということが何か変だ。たとえば、介護の現場は、慢性的な人手不足だ。多くの介護専門学校も定員割れで経営がやっていけなく閉校せざるを得ない状況だ。社会にとってもどうしても必要な仕事が人員不足で困りきっている。給料は決して高くはないが、住んで食べてはいける。凍死はしなくてよいし、生活保護を受けなくても自立できる。
一定の教育・研修がないと現場で働くことは難しい面がある。だったら、社会政策として、たとえば、ヘルパー2級を受ける費用と住処と食事の確保を1・2ヶ月すれば、現場で働いて自立できる。2年間の介護専門学校の費用を公費でまかなうなど、工夫すればちょっとした公費で大きな効果が期待できる。
なにより、介護という仕事そのものがおもしろい仕事だ。それに触れることにより人間が変わってくる。単なる給料稼ぎの対象ではなく、自分自身の生き方を考え直すきっかけになったり、人間観・人生観を問い直す機会になる。簡単にいえば、奥野深い人間に近づけるような気がする。
介護の仕事の報酬や社会的評価が抜本的によくならないと、本当の解決にはつながらないが、なにかの芽にはなる。
ここで、お願い。私の関連の『千住介護福祉専門学校』(足立区千住仲町14-4)が2009年の学生を募集しています。知り合いの方をどうぞご紹介ください。年齢は関係ありません。一定の年齢になればこそ理解できる深い内容があります。どうぞご自身も、子どもさんも、知り合いもご紹介ください。TEL 0120-114-294

女医さんの支援も仕事に
 医療や介護分野は、とにかく人で不足だ。プロ集団なのですぐにその資格をとることは難しいが、しかしもっと工夫してお金をかけると思わぬ効果があることがあるように思う。
 たとえば、医師不足が叫ばれ、学生の定員を増やして医師を増やすという政策が出ているが、多額の経費をつぎ込んで出来上がった医師が働けないでいる。それは、女医さんである。自分の能力を存分に生かして仕事をすることと、結婚をして子どもを育てながら生活することが日本では困難で、仕事できないでいる女医さんが少なくない。
 家庭があっても子どもがいても女医さんが安心して働けるように支援するサービスを公費でやったらどうだろうか。別な面ではたくさんの仕事が生まれる。働く女性全体を支援する仕組みが必要なのはよくわかるが、この緊急な医療実態からは女医さんを特別扱いしてもいいようにも思う。

 「派遣村」をテレビで見ながら、つらつら考えたことです。
 年賀状をたくさんありがとうございます。まだ、新年の挨拶状を出せないでいる私です。たくさんの方から、「このブログを楽しみに見ていますよ」という一筆がありました。ありがとうございます。今年も頑張ります! いろいろあるけど、プラス思考でいきましょう!