まさに、全身で感じる喜び!
まさに、全身で感じる喜び! 6月5日分
秋葉原であの悲惨な事件が起きた日に、北千住ではすばらしいイベントがありました。
名前を出してもいいかな? 私が信頼し、大事し、何より大好きな二人が結婚し、その祝う会『二人とふたりを楽しむ会』があったのです。宇留野良太君と、金澤彩子さんです。宇留野君とは2000年からの付き合いです。息子のような年代のイケメンの彼が就職してきました。どんなヤツかわからず戸惑いながらも、「ほー、なかなか・・・。なるほど・・・ やるじゃん」と楽しみながら親の気分で楽しませていただいた人です。いいヤツなんです! 金澤彩子さんは、2003年からの付き合いで、墨田区の老人保健施設で働いていた彼女が、我が東都保健医療福祉協議会のグループの「すこやか福祉会」に就職してくださり、当初はクグループホーム福さん家に配属になりその後次々にオープンするグループホーム開設の中心的メンバーとなり活躍していただきました。いまではグループホーム部・小規模・・・などの部長(責任者)です。すばらしい感性と力を持っている方です。その二人が結婚したのです!
私はなんだかすごくうれしくって・・・。二人の結婚を祝う会を独特な方法で行うことになりました。『門出サポーター』12人が自主的に手を上げ、企画し分担し当日を迎えたのです。参加者の60歳の職員の方がいっていました、「こういう、いわゆる実行委員会形式の結婚式は20年ぶりだよ。いいもんだなあ」ということだそうです。会費5000円で、自分たちで手作りで行う結婚を祝う会なのです。案内状も、看板も何もかもがボランテイア。料理は我がグループで病院や施設などの給食などを一手に引き受けて良心的に行ってくれている(株)リップルが担当し、参加者の年齢層などに合わせて素敵で豪華な料理を格別に安く・・・。ウエデングケーキも手作りで挑戦してくださりすばらしかった!
出し物も、芸も、なんとも〝すごかった!“ 表現するのが難しい〝芸〟なのです!我がグループの若手の職員の『力』を感じましたね!! やはり、時代は変わるもの。若手がおもしろく展開する力があることを私は肌で感じました。その中に自分がいることをとてもうれしく思った時間でしたね。
なんせ、始まる前の準備段階から、大盛り上がりなんです。新郎も新婦もいないのにリハーサルで本番よりも盛り上がるような勢いでみんなで準備できたんです。52歳の私もその中に入れていただき、なんだかすごくうれしかったのです。
認知症の方々が大活躍
この会の最も大きな特徴は、認知症の方が数十人出席してくださったことです。全体で158人の出席者ですが、その中の約30人がグループホームに入居している認知症の方々なのです。我がグループは、6グループホーム(9ユニット・81名の入居者)を運営しています。その入居者の人が、金澤彩子さんが結婚するならなんとしてもお祝いに駆けつけたいと、はせ参じてくださったのです。なんせ、司会も神父役も、乾杯、演舞、歌もグループホームに入居している方々が演じてくださったのです。
プログラムにない出し物も、突然出現しました。それが素敵なのです。「私は今年、100歳なんだけど、うれしいじゃないですか。いいですよね・・・・。みなさんも元気で生きるんですよ! 私もまだまだ頑張るから」と、新郎新婦席におじゃまして真ん中に入って、ハイポーズと写真におさまったり・・・。ハプニングだらけ・・・。
若い医療・福祉系の職員が多い中、認知症の方々といっしょになって結婚を祝う会をできたことが宝かなと思いました。
『この人、全身で喜んでいるんですよ!』
何ともいえない楽しい会が終わり、帰路についた時の話です。私は、この日出席してくださった認知症グループホームに入居している方々に一人一人あって触れ合っていました。久々の再開でした。
その中の一人の男性がいました。元都電の運転手をしていらした男性の方です。認知症の進行のためにグループホームに入居しました。奥様は心配で心配で・・・。彼は、自分の思うようにならない状況にいらだったり、おこったり、どれだけ職員を起こったか・・・。それよりもご本人がどれだけ不安に思われたのか・・・。自分の部屋にはたくさんの本があります。社会を変えなければならない、そのためにはという本が並んでいます。ご本人の葛藤は計り知れないのですが、数年グループホームで過ごしました。怒った顔の彼、苛立った彼の顔・・・。
その彼が、久々にあったら、車椅子でした。会が始まる前は、表情は乏しく「○○さん」・・・反応はほとんどなし。顔はこわばっていて辺りを見ていました。私は彼がきょう楽しむことができるかしら? 楽しめればいいなあ・・・! と心でおもっていました。しかし、全体を見回して私はその後、彼のことをすっかり忘れていました。
帰り際に、彼に会ったのです。私は、目を丸くしました。彼の顔つきが素敵なんです! 「ええっ、どうしてこんなにいい顔をしていらっしゃるの?! 笑ったいい笑顔をずっと保っている!!」 いっしょに参加してくださった奥様が隣で、私にこういうのです。「宮崎さん、言葉は発せられなくても、人ってわかるのね。彼はもうしゃべって言葉で表現できなくなっているんだけどね、わかるのよ。だってね。ここにきたときにはこわばった顔をしていたのよ。それがね。みんなの腹からの笑い声、生のピアノの音楽、みんなの歌、みんなのうれしい気持ち、この雰囲気がね、彼の全身に響くのね。夫の彼が、ずっとこのいい顔のままなのよ! きょうはよかったわ、ホントに・・・」
そうなんですねー。人間って全身で感じるんですね。その力は最後までなくならない。うまく表現できなくても〝感じる力“がスゴイ! そういう場にさまざまな機会にいっしょにいられればいいですね。
私は、大好きな宇留野君と彩子のために、(というのは言い訳で)歌わせていただきました。いっしょに歌い、作り上げてくださったミュージイシャンの小泉たかしさん、門出サポーターのみなさん、ありがとう!!