よいコミュニケーションをとるには

よいコミュニケーションをとるには       2016年1月15日分

 看護学校や看護大学からの講義の依頼が時々ある。戴帽式や卒業記念講演など。先日、伺った看護学校では、質問時間をたっぷりとって講師との交流をすることに重きを置いていた。「どんな質問でも正直に答えますので、どうぞ!」

おもしろい質問が
 30分間の質疑応答の時間に、学生さんならではの素朴な質問がたくさん出されました。
「子どもを育てながら看護師を続けられるのか。どちらかがおろそかにならないのか」
「ベテランになる前に、訪問看護に従事することは本当に可能なのか」
「看護って、そんなにおもしろいものなのか」
「看護師を辞めたいと思ったことはないのか」
「どうしたら、そんなに元気に仕事をし続けられるのか」
「どうしたら、そんなに前向きになれるのか」
・・・

コミュニケーション・・・
 ある学生が、こういう質問をした。こういう質問は初めてだった。
「私は、人と話をするのが苦手で、患者さんの前にいっても話をするのが苦痛なんです。怖くなってしまうんです。宮崎さんは、コミュニケーションをとるのが上手のようですが、どうすればうまくなるのでしょうか」
さあさあ・・・。自分ではコミュニケーションがうまいと自覚したことはない。
さあ、なんて答えようか・・・。
「私がコミュニケーションをとるのがうまいかどうかはよくわかりませんが、私の心づもり・接する時(患者さんや利用者さん)の基本的姿勢は、“その人を好きになろう”です。圧倒的には初めて会う人でどういう人か全くわからないし、悪い過去がある人かもしれません。でもいいんです。“その人を客観的に見る”とか“事情をよく聞く”“情報収集する”などということはしない。みんなから嫌われている人でも、私だけでも好きになろうと思うのです。そういう目で見て、そういう姿勢で接してみるのです。
 そうすることによって、『マイナス』が『マイナス』にみえず、ニュートラルに見えるんです。誰だって好意を持たれて悪い気はしないもの。“興味ある”“好意的にみている”“理解しようとしている”などと意識するとなかなかできないことが、“好きになってみる”というだけで、なんだか暖かいものがほっこり残るような気がするんです」

自分で自覚
 自分ではあまり自覚しないで実践していることを、自覚させていただいたような気がしました。私ってそうやって患者さんや利用者さんに接しているんだなあって。

 なかなかはなしかも。深いことを実践的に伝えているかも・・・。