イタリア視察雑記5

イタリア視察雑記5             2015年11月5日分

 
日本の訪問看護はこのままでいいのか

前述したが、精神保健センターでは、多数の看護職が中心的な役割を担い活躍していたが、日本のような自宅への“訪問看護”はあまりなされていないようだった。定期的に家を訪問して何かを(看護)するのではなく、家から出て地域で、あるいは社会で就労や社会生活ができるように多職種といっしょになって支援することが重要だと強調していた。

精神障がい者への看護師の支援方法は?
日本の訪問看護費は、自宅を訪問して看護することに対して支払われる仕組みとなっている。身体障害で寝たきりの人へのケアはそれでよかったのかもしれないが(それでもいろいろ問題はある)、自宅を含む地域で生活する精神障がい者への支援(看護)のあり方が自宅・在宅に限られているのは非常に問題がある。極端な言い方をすれば精神障がい者を自宅の閉じこもりにしてしまうことにつながるのではないか。
 7月に、所属している協会の主催で『精神科訪問看護情報交換会』を実施したが、その中でもこのことについてかなり議論になった。「未受診の患者さんに受診同行すること」や「就労支援センターへの同行」「スーパーでの買い物が自分でできるようにするための同行支援」「外出拒否の人に散歩同行」など、家からでて外に出かけられるようになるような支援や就労に結び付ける支援などに対して報酬が支払われるようにすべきだという意見が多かった。
 家でのケア・支援よりも“外への支援”がより重要に思う。

医療保険の診療報酬の仕組みを変更しなければならない・・・
 地域での看護師の役割は、「自宅訪問」は一部であることを考えれば、診療報酬のあり方も変えなければならないかもしれないとつくづく思った。