サテライト

サテライト              2014年5月25日分

引き続き、訪問看護ステーションの話。

サテライト(出張所)とは 
訪問看護ステーション(主事業所)は、平成8年からサテライト(出張所、従たる事業所)を設置することができることになっています。主な目的は過疎地域などの訪問看護ステーション設置を促進するためで、山村振興法・離島振興法等の法律に基づく地域が対象でした。主たる事業所(訪問看護ステーション)が看護師1名でも出張所を設置することができるものです。
最初は、中山間地域や離島など過疎地域などに限定されていましたが、さらなる訪問看護事業の促進のために、平成12年(介護保険スタート時)から、地域要件などは撤廃されて管理者が一体的な管理ができる範囲内で、しかも隣接地域でなくても設置できることになりました。しかし、全国各地から聞こえてくるのは、「設置条件が離島などだけで、実際は設置できない」「県はOKといっているのに、市(政令指定都市)がだめだといって設置できない」など、都道府県・政令指定都市でその対応がまちまちであることが現場では大きな問題となっていました。

サテライト(出張所)は、468か所 
そこで、今回、都道府県の担当に協力いただきサテライトの設置状況と都道府県のサテライト設置についての対応について調査し、まとめました。(全国訪問看護事業協会のホームページ参照)
 その結果、平成26年4月1日現在、サテライト数は468か所で、都道府県によってかなりの差がありました。多い都道府県は65か所ですが、一方で許可しないという県もありました。0か所が7県、1~5カ所の県が20か所でした。

今後、サテライトが話題に 
これまでは、訪問看護の業界でサテライトのことがそれほど話題にならなかったのですが、今後議論の対象になると推測されます。なぜかといえば、今年4月から新設された『機能強化型訪問看護ステーション』の算定要件の人員基準等が、「サテライトの数も加えた数」ということになったからです。早速に小規模訪問看護ステーション2か所を開設・運営していた法人が、1か所をサテライトとする方向で準備しているなどという声を聞きます。つまり2か所分を1か所として(1か所をサテライトにする)『機能強化型ステーション』届け出ができることになる可能性があるもです。
 とすると、都道府県によってこんなに大きな差があることが問題になるのではないかと思うのです。

 訪問看護サービスを利用する方にとってよりよいサービス提供ができる方向で変えていく必要があると思います。