タクテイールケアなど

タクテイールケアなど     2010年11月15日分

 前々回にお伝えした『手』を使った技の研修会(全15回)もいよいよ終了。何とか出席し修了証書をいただけそうです。今回は、3つの技(タクテイールケア・気功・Mtest)を学びました。とても勉強になりました。
 
タクテイールケア
 「タクテイール」とは、ラテン語のタクテーリスに由来する語で「触れる」という意味。「触れる・撫でる・さする」に近い感覚で、相手の方に意識的に手を使ってかかわり、『痛みが軽くなった』『暖かくなった』『気持ちがいいね』『よく眠れた』『ナースコールの回数が減った』などという患者・利用者の反応があるケア。具体的には、相手の方の手・足・背部など服の上から、あるいはオイルを使って直接肌に、両手の手のひらで決まった順序で独特の触れ方で実施していくもの。実際に私自身も行ってもらいましたが、『心地いい』『気持ちがいい』『安心する』『こんなことをやっていただいていいのかしら』などと思った。
 不安におちいっている人、苦痛がある人などに近づくこと、コミュニケーションをとるのにとても役立つ。認知症でなかなかコミュニケーションがとりにくい人の場合にもとても有効だという報告もあるとか。
 今回の研修生が実際に患者さんたちに実施した内容の発表会があったが、「乳がんで皮膚転移で苦痛がある方」「夜間不眠症の認知症の人」「ターミナル期の方」「がん性疼痛と不安・不眠のあるケース」など、さまざまな“難しい”対象者に試みて有効な結果(ともに難しい面も)を得ている報告を聞いた。
 どんな人にも、とても効果があるかどうかはわからないが、少なくとも悪影響はなく、人間同士の距離を縮める“いいケア”だと思う。知識・技術を習得しておいて得することはたくさんあっても損をすることはないと思う。これは、看護師だけが行うケアではなく、介護職その他でもよく活用されているという。
スウーデンから始まったケア。

気功
 気功には、医療気功、療生気功、武術気功、芸能気功などがあるそうだ。医療気功は、おもに中医学の理論に基づいている。
 中国数千年の歴史ある『気功』。東洋医学は、すばらしく膨大な体系があるもの。数日間で学べるものではないと思うが、その一端に触れた。人間の身体と精神の見方が西洋医学とはかなり異なる。西洋医学にどっぷりとつかった教育を受けてきたものとすれば、最初は戸惑うことばかり。しかし、宇宙・地球・人間などという大きな動きの中で、目に見えないことも重視した『理にかなった考え方』。
 中国人の方の本物の気功に触れ、少し教わり、自分自身の健康維持のための方法をいくつも学んだ。そして難治の病気を気功で治した例をたくさんお聞きし、私の周辺でどうしても治りたいと苦しんでいる方がいたら、私はまだとても治すことはできないけれど、何とかその先生方を紹介しようと思った。
 もっともっともっともっと深めたい分野です。いつの日かもっと勉強したいですねえ。

Mtest(経絡テスト)
 残念ながら途中までしか研修できなかったのでうまく紹介できないかもしれない。人間の身体の動きを診て東洋医学のツボや経絡をシンプルに活用して症状軽減を行うもの。『脈診』といって両手の脈だけでたくさんの症状や病気の様子を推し量り、その対応(全く痛くない)をし、解決する。

統合医療
 統合医療についてもはじめてゆっくりと学ぶことができた。西洋医学的な見方・考え方で治らない病気や症状が別な方法でその場で治ったり、改善したりすることはいくらでもある。そういう視点・姿勢で病気や症状と向き合っていってみようと思う。
川島先生はいつも『挑戦』の方。「私は様々な手を使った技術・療法・統合医療を生かして看護で治す『看護センター』のようなものをやってみたいのよね。難しい患者さんで他で治らない方を治すことができると思うの」といっていました。
 きっと、そのうち開始するのではないかと思います。