フィンランド
フィンランド 11月15日分
ブログをみて様々な方からメールをいただいたり、連絡をいただいています。ありがとうございます! 励みです! また、別な方のメールに飛び火してもいるようです。そのうち紹介します。経済週刊誌『週刊東洋経済』に掲載され、その反応も多様にありました。おもしろいです!
さて、きょうはフィンランドの話です。
フィンランドに行ってきます
フィリピンやらインドネシアやらいろいろな国を訪問していることは皆様にお伝えしているつもりです。でも実は他の国にもいっているのです。それは私が世界中の国に行くことをとても楽しみに、とても大事に思っているからです。仕事でも、ライフワークでも、私生活でも機会があれば、というか機会を作ってお金がなくて借金してでも出かけています。
今回は、遊びではありません。とても大事な使命と勝手に受け止めてフィンランドに出かます。
フィンランドはおもしろい国
フィンランドのことは、最近日本国内で注目されています。それは、教育分野での話です。国際的な学力テストで、フィンランドが様々な分野で1位・2位という結果が出ているためです。それも日本のように全国の学力テスト中心にガンガンと教育をしているような国ではなく、全く学力テストをしない国のフィンランドが、実はとても総合的な教育力を持ったと評価され、最近では日本からの視察も多いそうです。
そのフィンランドに、私は全く違った興味で勉強に行こうとしています。
フィンランドは、北欧の一つの国と位置づけられていますが、歴史的には様々な経緯をもっています。スウエーデンとロシアの中間に位置し、両方の国の領土化?されてきた歴史で、1917年ロシア革命以降初めて(レーニンが解放したといわれていますが)一つの国(フィンランド)と認められました。もともとはフィン族です。
人口は500万人という小さな国です。私がフィンランドに行くといったら、ある学者が「ああ、北欧だから福祉が進んでいるのでしょう」と簡単にいいましたが、私はちょっとむっとしました。スウーデン・デンマーク・ノルウエイなど福祉が進んでいるとは言われますが、それぞれの国は独自に苦心しながら試行錯誤で独特なやり方で福祉に取り組んでいます。その方法、方向性はかなり違います。いっしょくたにすることは間違っているように思います。
私の目的
私は、スウーデンもデンマークも勉強をしに行きましたが、今回はフィンランドです。私なりの訪問目的は、以下のようです。
①『ナッヒ・ホヒタヤ』を詳しく知ること
『ナッヒ・ホヒタラ』とは、どう訳せばいいか、まだ定まっていませんが、私が今のところ命名するとすれば、『日常生活支援士』という資格の専門職です。私は昔からの友人の太田貞司先生(神奈川県保健福祉大学教授・ケースワーカー)からこの存在を教えていただきました。
フィンランドでは1990年代後半に、ヘルパー・介護職・保母・准看護師などという名称の職業がなくなったそうです。その代わり、様々な病気や障害のために自分の力だけでは日常生活を送ることができない人、要するに日常生活支援が必要な人に支援する専門職を統合して、全く別なカリキュラムで「人が生きることを支援する専門職」2年間の育成が始まったとか。その後に専門(認知症・精神障害・知的障害・発達支援・・・)を学ぶとのこと。そのいきさつは単純ではなさそうですが、私が日々感じていて、日本の新たな方向性を指し示す何かのヒントがここにあると思うのです。
ですから、それを学び、新たな何かを日本の中で提案していければいいなあと思っています。学んできます。
②『在宅ケア』全般 訪問看護はもちろんのこと、訪問介護、様々な在宅サービス、それに伴ってもちろん施設サービスも含めてどんな仕組みで行っているのかを学んできます。ちょっと文献をあさっていたら、どうも訪問看護と訪問介護がドッキングして違ったスタイルで在宅ケアを始めているらしいです。看護と介護がどう連携するかが世界的な課題です。
③『認知症の人の支援』全般 認知症という、身体介護とは違った対象群の方たちに、どういう視線で、どういう支援をしているのかを見てきたいと思っています。
④経管栄養で生きている人たちについて
鼻から、あるいは胃に直接穴を開けて管を入れて栄養補給する胃ろうで生きている人たちが、どこでどんな生き方をしているのか、それをフィンランドの人たちはどう思っているのかをさぐってみたいと思っています。これからの日本の大問題です。
ちょっと遊べれば・・・
期間が限られているので、どれだけ学べるかはわかりませんが頑張ってきます。言葉は、独特のフィンランド語です。
ただ、土日の休暇には、ちょっと観光もしたいですねえ。本当はラップランドまで出かけてオーロラを見たいと思ってアプローチしたのですが、残念ながら季節が合わないようです。またの機会に。ヘルシンキの方といろいろと話していたら、「バルト海の対岸のエストニアもおもしろいんですよ!」と。では、行ってくるか・・・。
経費はいつものごとく、自費です。どうぞ、雑誌・本などに書かせていただくか、あるいは講演に呼んでいただくか・・・。旅費だけでも・・・。見てきたこと、考えたことをみなさんに報告できればと思います。