技能実習制度は「廃止」に
技能実習制度は「廃止」に 2014年7月5日分
前回、介護の現場に外国人の方が、EPA(経済連携協定)ではなく、「機能実習制度」というゆるゆるの制度で入ってくる方向を安倍政権は推奨していると述べました。
今回は、それに反対している声をご紹介します。
日本弁護士連合会
マスコミ報道によると、日本弁護士連合会は、4月3日に現行の「外国人技能実習制度」の廃止を訴える会長声明を発表した。その理由は、以下のようです。制度の名目と実態が乖離しているから。名目は、技術移転による国際貢献としているが、実際は「労働力の受け入れ」。人手不足解消のための受け入れが必要であれば、問題の多い「技術実習制度」は廃止して「非熟練労働者の受け入れ」を前提にした新しい制度を構築すべきだと。
実習生を特に必要としているのは、縫製業・農林水産業などの零細企業や個人事業主。しわ寄せは実習生が受けている。来日後は実習先を変更できない仕組みのため、どんなひどい労働環境でも職場を変えられない。低賃金・長時間労働を強いられ、不満をいえば、雇用主から帰国を迫られる。(おおむね、「シルバー新報」より)
介護福祉士会
日本介護福祉士会も反対の要望を提出している。日本語能力や介護技術のない外国人が介護分野に入れば、サービスの質や賃金の低下を招くからと。要望書の中では、「介護労働を単純労働と捉えて、技能実習制度に介護分野を追加し、外国人を受け入れることは反対」と。外国人介護士受け入れについては、「EPA対応を必須条件として国家試験を最低条件とすべき」。
韓国・台湾でも受け入れ
先日テレビ報道で、韓国・台湾などでも人手不足で外国人を受け入れていて、ある意味では競争になっているが、外国で働く側(ベトナム・インドネシア・他)の人たちは、日本の条件が様々に厳しいので他に国にいくことを考えているということだった。
難しい問題
非常に難しい問題を山積みである。でも私はどうしても大事にしてほしいのは、“介護は誰にでもできる単純労働ではない”ということ。プロの介護(日常生活支援)と素人の介護では、受け手側の要介護状態の人はかなり違った生活・生き方になる。プロの介護(日常生活支援)の保障、つまり量だけでなく質が保障される仕組みが大前提に考えるべきだと思う。