散骨
散骨 2月15日分
昨晩の夕食会でも『散骨』の話になった。お子さんがいらっしゃらなくてご主人を亡くされた方(64歳)が、自分の今後が不安になり眠れなくなることがあるといいます。生活費の心配はないが、自分がなくなった後の家のこと、財産のこと。その前に要介護状態になった時にどうするかが心配だと。今から有料老人ホームに入ってそこでの新しい人間関係を作るようにした方がいいのか、しかし本当に重介護状態になると退去させられてしまう例など聞き、どうしたら安心できるかがわからないという。
その話の中で、「できれば自分は散骨したいと思うがどうすればできるのか」と質問された。それで私は知っている限りの情報をお伝えした。
散骨をするには・・・
散骨とは、ご存知の通り、死後遺体焼却後の骨を粉にして、お墓ではなく自然界に散らすというか戻すというか。それは山、川、海、木の根・・・自分が希望する場所に。
◆ 揚子江に散骨
知人の母は100歳で亡くなられた。ご自分が入ることができる立派なお墓があるのだが、そこではなく散骨してほしいという遺言。それも理由があり(大陸で暮らした経験があるからか)、揚子江に散骨とのご希望とか。それで知人がそれをきちんと実行。「母の遺言を実現するために、揚子江に行ってきたんだよ。船で揚子江の上で母とお別れしたよ。ほっとした。全然さびしくないよ」
◆荒川に散骨
先日の全国訪問看護事業協会の総会・事業者大会のシンポジウムで利用者の立場から講演してくださった方は、自宅で亡くなられたご主人を看取った方でした。そのスライドの冒頭でご紹介くださったのが、荒川での散骨式の様子でした。このご夫婦には二人の娘さんがいますが、結婚し姓も変わった。「娘たちに墓守の負担をかけたくないと思ったのでしょう。近くの荒川に散骨してくれというのが願いでした。それでいろいろ調べたら散骨に協力してくれる会社があるんですよ。そこにお願いして主人の思い通りに荒川に散骨しました」とお話し下さった。(主要な講演は訪問看護についてなのですが)
◆テレビで見た『樹木葬』
好きな木・樹の下に散骨する方法だった。それを実行するNPO法人があり、生きているうちからつながりをもって生きるとか。親戚・身内ではない他人同士が新たな形で意識的に繋がる例でしょう。
頼まれています
実は、私は数人から、死後散骨にしてくれと頼まれています。口約束ですが、また、「私のほうが長生きすればですよ。私の方が先にあの世に逝ってしまったらごめんなさいね」といいながらですが。 東京湾に・・・、地中海に・・・、マチュピュチに・・・。
海や川に散骨する際のさまざまな条件がありますので、よく調べてからにしましょう。
価値観の多様性、時代の変化。亡くなった後についての常識も変化しているのかもしれませんね。どちらにせよ、自分のことは死後のことも含めて自分で決めて誰かに伝えておくことが大事なのだと思います。
インターネットが使えない状況にいましたので、更新が遅れてしまいました。すみません。次回からはがんばります。