新しい本を出版

新しい本を出版    2016年8月5日分

表紙

 昨年から準備してきて、やっと出版にこぎつけた本です。『訪問看護師のための診療報酬・介護報酬の基本と仕組み』メディカ出版。私の後任の全国訪問看護事業協会の事務局長の清崎由美子さんと、現場の訪問看護師の加藤●○○さんと○●との共著です。いろいろ本を企画し出版させていただいていますが、この本の内容ははじめてのものです。なかなかいい本に仕上がりました。
 訪問看護制度は複雑で難解です。医療保険と介護保険にまたがり、利用者は病名や病状により保険の適応が違います。
新しく訪問看護の現場に入った看護師は、その仕組みを理解するのにとても苦労しています。理解をしないでただただ訪問だけをすればいいという訪問看護ステーションもあるようですが、それでは真に利用者に即した内容のサービスを行うには不十分だと思います。
 その理解を助けるための本です。訪問看護関連の制度や仕組みについて初心者向けに、あるいはベテランでもより正確で確実な理解のために作った本です。

以下、初めにより(抜粋)

「訪問看護は、医療保険と介護保険の両方にまたがっていて制度が複雑で分かりにくい」
「病名・病状によって利用する保険がかわるので、覚えきれない」
「医療保険と介護保険のしくみがわかるのに1年かかった」
「どうして訪問看護は、制度が複雑なの」
「制度や報酬がよくわかる簡単な本はないの」
このような声に応えるためにこの本を作りました。

 訪問看護に関する制度や報酬はどうして複雑で難解なのでしょうか。その理由は、以下のようなことが考えられます。
 一つは、訪問看護の歴史から見えてきます。社会の要請にこたえて自主的に開始した訪問看護が医療保険で制度化したのが今から30数年前。1回の訪問で1,000円の報酬でした。その後、1992年から始まった訪問看護制度で「訪問看護ステーション」という看護師が管理者となる事業所が新設されました。そこで制度や報酬の仕組みが大きく変わり、初めて訪問看護で利用者から利用料(250円)を直接いただくことになりした。
 それがやっと定着したかに見えた時、2000年に介護保険がスタートしました。そこから、訪問看護は従来の医療保険と介護保険との両方の制度に関係することになり、複雑化していきます。
 また、訪問看護関連の仕組みや報酬が複雑な理由のもう一つは、報酬改定の度に少しずつ制度の改善をしてきたことです。それも現場の意見を集約し要望し、利用者にとって、あるいは訪問看護を実施する事業所や看護師にとって良い方向に制度を充実するように改善してきた結果です。
 複雑化している訪問看護関連の制度や報酬について、マイナスに受け止めるのではなく、よりきめ細やかに利用者にサービス提供できるようにしているとプラスとして理解して取り組んではどうでしょうか。詳しい正確な法律や制度・報酬の成書はいくつかありますので、それをフル活用していただきながら、この本は入門編です。また、この本では、特に医療保険と介護保険、その関係等について中心にまとめました。このほかには、公費医療費・自賠責・・・障害者自立支援法・・・生活保護関連など多岐にわたる制度・報酬がありますが、他の成書を参考にすることをお勧めします。

<この本の活用方法>
1 新しく訪問看護の仕事に就く方の新人教育のテキスト
新人教育・研修で活用しやすいように、パワーポイントの資料を・・・書いてください
2 現場の職員の手元に置く身近な参考書
3 事務職の保険請求などの手引書
4 ケアマネジャーの“訪問看護関連の制度”の理解のための参考書