昨今の金融危機

昨今の金融危機  10月25日分

 朝晩しっかりとニュースを見て、よく新聞・雑誌を読んでいるこのごろです。アメリカのサブプライム問題を引き金に、今年9月リーマンブラザースの破綻→世界中が金融危機→経済危機に陥っている。世界中がどうなっているのか、日本がどうなるのか、かつて経験したことがない事態に陥っているこの歴史的な時期を生きている者として、なるべくきちんと見ておかなければという気持ちです。 こんな時期に浮ついたテーマをいっている場合ではないと気持ちは引き締まっています。
 
カンマ( , )、小数点(.)が人々の暮らしを左右 
 現在の地球上は、資本主義経済で成り立っているというか、資本主義経済が中心に動いている国が多い。実物の現金でないとどうもピンとこないような金銭感覚の私にとって、今の金融危機をどう理解するかは、かなり難しい。
 しかし、考えてみると、実物の紙幣ではなく紙面上かパソコンの画面上の000000がたくさんついたカンマ , の数字と、0.0●の小数点以下の数字が、人々の生活・生き方を直撃しているように見えてならない。為替が1円変わると、0000億円の儲け?損? 普通の市民がテレビカメラに向かっていう。「株価が数百円下がると数千万円財産が目減りする」と。
一人の人間が生きて一生を送るときに必要なのは、最低限、衣食住だ。ほどほどの衣服を纏い、腹八分目に新鮮で安全なものを食し、それなりの住居に暮らせばいい。一生涯、どれだけお金がかかるのか・・・。衣食住の現物とそれを獲得する手段のお金があればいい。
 ところが・・・・。現金でもなく、食べるものでもないカンマと小数点で格差が生じ広がり、それが人々の日々の生活を、あるいは人生を左右している。画面上のカンマと小数点のトリックに時には生死を右往左往させられる仕組みが、今の地球上の実際だ。なんか変ではないだろうか?

「国家」資本主義は、社会主義?
 カンマと小数点を扱い、それで成り立っている銀行が当然のごとく破綻しそうになる。それで、アメリカを始め多くのヨーロッパの国の政府が“兆”単位の融資を銀行にする。倒産すると国民生活に直結し、社会不安になる恐れがあるからだろう。銀行がどんどん合併して大きくなったかと思えば、今度は国家が銀行を買い取っている。自由主義経済の牙城であり市場の原理に任せて(放置して)、それでつぶれるところは仕方ない市場原理だといい続けきたアメリカが、政府が手を出さざるを得なくなってきた。
 国が民間企業のように銀行を操作していくということは、「国家」資本主義というのではないだろうか?! ということは理念上社会主義とどこが違うのだろうか? 大統領選挙で、マケイン陣営が、「アメリカを社会主義にするのか」という。
 徹底した自由主義経済の成れの果ての姿を演じるアメリカ・・・。社会保障は乏しく、医療や介護は悲惨な状況・・・。住宅だってご存知のとおり・・・。銃を持たなければ暮らせない社会世相・・・。決定的になった金融危機!! 実生活への影響・・・。 ここからどうなるのか?

想像できないほどの影響
 世界中のお金が集まったアイスランドでの今回の悲劇、そして暴動にも近い市民の動き。日本以外の国のレートが下がり・・・。資本主義の国に限らず、世界中が何かが起きる寸前のような殺気に息を呑んでいるよう。
 比較的影響が少ないとされている日本だが、実のところはどうなのだろう? たぶん、マスコミ報道では示されていない想像を絶するすさまじく大きな影響があるのだと思う。それがこれから表に出てくるのではないかと不安は尽きない。

身近なところでは、ユーロに換金?! 

 私自身の周囲では、その影響が如実に出てきてはいないようである。「○○銀行が危ないんだってよ。これから銀行が当てにならないから、貯金を下ろして現金をタンス貯金にするしかないかね」「外国に行く予定があるのなら、円高のうちに多めに換金しておいたほうがいいよ」などということを聞く程度だ。
 
ドサクサにまぎれて、消費税!? 
 昨日の麻生首相が自ら発表した新総合経済対策に基づいた第二次補正予算案は、どう考えても全く的を得ていないと思うのは私だけだろうか。根本的な対策がなく選挙向けの人気取りのバラマキ案。何より、この機に乗じて『3年後に消費税を上げる!』という! その理由が、医療や介護の社会保障のお金のためと・・・・。

社会保障は、実はさまざまな宝かも!
 どんな金融危機・経済危機が来ようが、日本のこの現状の中では医療や介護は、誰にとっても文句なしに必要で充実してほしいこと。誰もが一致できる内容である。そのことを中心に経済危機を乗り切る政策を打ち出す方法があるではないか。それが消費税値上げではなく別な方法があるのだと思う。モノを作り消費することでお金を廻していくのではなく、人にお金をかけてお金をまわしていくということ。
この時代だからこそ、社会保障を宝とした政策を! 

不正確な部分もあるのだが、こんなふうに思っているこの頃です。