東日本大震災 その5 “うつ”の人が・・・?

東日本大震災 その5 “うつ”の人が・・・?  4月27日

福島県の訪問看護ステーション協議会の訪問看護師さんたちと一日いっしょに被災地訪問しているときに、現地の方ならではのお話をたくさんお聞きして、目を丸くすることが多かった。
まず、最近の普段のあいさつの言葉は、次のようだという。
「きょうは、地震が少ないね」
「そうだね、2回だね」
「昨日の地震は大きかったね」
と、なんと地震が多いことか!
東日本以外の方は実感がないかもしれませんが、東京でも本当に地震が多いんです。
昨日も、今朝も・・・。毎回、「今度は本物の大きい地震かしら? 東京湾で大きい地震がきたら、さて・・・」と、ハラハラした毎日です。

いつも「死にたい」といっている女性が・・・
 いつも「死にたい」といっている福島市に住む女性(80歳代)がいる。どうやっても心が晴れず、こもっている。どう支援するべきか、訪問看護師は迷ってばかり。
ところが、原発の事故で放射性物質の被爆の問題がテレビなどで騒がれるようになった。それで、その方が訪問看護師になんといったか。「私は被曝は大丈夫かね」と聞くんですよ・・・と。
 本当に死にたいなら、被爆云々はどうでもいいことなのにねー。「ええっ、被爆が心配なんですか・・・・」と一瞬、言葉にならなかったという。笑うに笑えない、でもつい笑っちゃう話。

うつ病の人が野菜作りを
うつ病で、いつもは動けないでいる女性(60歳代)が、訪問したところ、人が変わったように動き始めたという。今回の震災で「こんなことはしていられない」と畑仕事をし始めたのだと。「看護師さん、自分が作った野菜なんだ。もって行って食べてください」と差し出してくれた。
  ええっ、まあ、なんというか・・・。自然の大災害は人の行動を変容させる。大災害は、人の生きる価値観を変える。のではないでしょうか。私自身、自分の生き方について軌道修正しようかと真剣に考え始めているところです。

寝てばかりの人が掃除を
ゴミだらけでなかなか家の中がきれいにならないお宅。その話をすると嫌がられ、「そのうち、自分でやるから」と。そして、動けるのに寝てばかりいる92歳の男性。ところが、この地震・津波・原発事故を機に、何を思ったか掃除をしはじめた。本当にやり始めた。只今、時間をかけながらの掃除・片付けの真っ最中。とか。

まだまだ続きます。町の様子や、介護・看護サービスなどのついても順次書いていきます。 間をおかないで書いていきます。      4月27日記