東日本大震災 20回 被害の実態(まとめ)

東日本大震災 その20 被害の実態(まとめ)    6月25日分

 いろいろあって、ブログを書くことができませんでした。すみません。やっと書いています。続けていくつか書きます。

 6月22日に全国訪問看護事業協会の総会があり、そこで今回の東日本大震災で大きな被害を受けた岩手・宮城・福島・茨城の各県の訪問看護ステーション協議会の方が、その被害の実態と、どう取り組んできたかということを特別報告しました。胸がつまるような報告でした。
 その中で報告された被害の実態のデータは、まず宮城県訪問看護ステーション連絡協議会が県内のステーションに詳しいアンケート調査を行いました。それがとても実態を反映できる内容だったので、岩手と福島でも同じ内容で実施し、それをまとめて発表。この時に報告した被害の実態についてのデータを少しお知らせします。

死亡、津波に遭遇した人、家族が大きな被害、職員の家の喪失

 今回の大震災で亡くなられた訪問看護師は、一人です。宮城県の方で、地震後、海辺に住んでいる人工呼吸器を装着している利用者さんが心配になり、主治医に「○○さんの安否確認に行ってきます」とメールし、その後「○○さんは無事で大丈夫でしたので、帰ります」というメール。その後に、行方不明。津波に遭遇したとのことです。
 津波に遭遇した訪問看護師は、宮城(29人)、岩手(4人)、福島(4名)、合計37名です。ご家族が死亡・行方不明・・・宮城(13人)、岩手(18人)、福島(4名)、合計35名。職員の家が津波で流されたのは、宮城(29人)、岩手(12人)、福島(3名)、合計44名。

事務所等の被害
 訪問看護ステーションの事務所の被害も少なくありませんでした。事務所の被害があったところは、宮城36ヶ所(52.9%)、岩手13ヶ所(23.6%)、福島(26.1)。津波などで喪失・倒壊・浸水し事務所が使用不可能になったのは、宮城(22ヶ所)、岩手(12ヶ所)、福島(4ヶ所)、合計38ヶ所。津波などで使用できなくなった自動車は、合計60台。
 一番、大きな被害を受けたのは、以前のブログで紹介しましたが、岩手の齊藤裕基さんで、釜石と山田町と陸前高田にステーションの運営している3ヶ所の事務所を全部喪失した方です。
 事務所を失って休止しているところはほとんどなく、同じ法人の特別養護老人ホームやステーションの事務所に同居しているところと、新たに近隣の空き事務所に事務所移転したりして、訪問看護活動を継続しています。(福島の原発事故20km圏内などは別)

利用者の被害
 訪問看護サービス利用者の被害も大きかったです。利用者が減少したステーションは、宮城44ヶ所(43%)・495人減、岩手5ヶ所(10%)・150名減、福島22ヶ所(31%)・84名減。
その理由は、死亡・行方不明・関連死・非難所・仮設住宅へ転居・転居です。

収益の被害
 利用者が減ったことで訪問回数が減って収入が減ってしまって苦労している訪問看護ステーションが少なくない。宮城52ヶ所(81.3%)、岩手19ヶ所(34.5%)、福島35ヶ所(51.5%)。

 利用者が減ってしまって苦慮しているステーションと、住民の移動などで利用者が増えているところもあります。また自治体によって対応がかなり違っていて、地域の実情は一口で表現できない状況のようにみえます。

詳しいデータをご希望の方は、私宛にメールをいただければお送りします。
info@miyazaki-wakako.jp