看護学生さん、20歳代で一度は訪問看護を経験しよう! 

看護学生さん、20歳代で一度は訪問看護を経験しよう!  1月25日分

 千葉大学看護学部の非常勤講師として学生に講義をし始めてどのくらい経つだろうか。先日、タップリ半日の講義をさせていただいた。私の子どもよりも若い19歳・20歳の看護を学ぶ学生たち。彼女たちは何を考え、何に興味を持ち、日々どんな会話をして生きているのだろうか・・・。どんなふうに話せば彼女たちに響くのだろうか・・・。どう接していいのか・・・。話す前にちょっと考え込む。午後の時間で暖かくスライドで暗くなるとかなりの確立で居眠りをする学生がいることは覚悟の上です。(私が学生のときは、授業中に見事に寝ていることが多かった。だって・・・。だから私は学生が居眠りすることをおおらかに許す。話はしにくいけれどまあ仕方ない)
そして話し始める。私が19歳のときに水俣で始めて訪問看護に出会って、それを確立する仕事をライフワークにしようと思ったこと(その活動が日本にはまだほとんどなかった)、22歳で訪問看護になり、その時『看護とは何をする仕事か』を学ばせていただいた患者さんたちとの出会いの話。またがんの方の在宅ターミナルケア、人工呼吸器を装着した状態で自宅で暮らす神経難病の人、意識のない方の意識を取り戻すための看護師としての取り組み・成功!事例。そして認知症の人の生活・生きることの支援の実際。34年間の実践の中で経験した実例をもとに話をさせていただく。その時その時にどんなふうに考えて実践したか、仲間の看護師・介護職とどう連携して取り組んだかを臨場感タップリにお話しするようにしている。
一生懸命話をしていて、ふと学生側を見てみると、誰一人居眠りしていない! みんな食い入るように話を聞いてくれている! その視線を感じる! 何とうれしいことか!

学生の感想
 大学の教員の方から次のようなメールをいただきました。
 『大勢の学生が、感性豊かに先生の講義を聴いていたことが読み取れました。例えば、「先生の熱意が伝わり感動を覚えた」、「訪問看護って面白い!是非20代のうちにやりたい」、「生活(どう生きたいか)を支えることを深く考えた」、「看護観が変わったあらためて看護の道を歩みたいと決意した」、「看護師の役割をずっと考えていたけれどヒントがいただけたような気がする」、「現場で待っているいろいろな苦労や困難が楽しくなってきました」等等。
 学生に勇気と感動、そしてプロとしての看護師の生き方のモデルを示していただけたと思います。本当にありがとうございました』

 私が話したことで、みなさんこんなふうに思ってくれたんだ・・・と私自身はうれしいのですが、様々な思いにもなりました。大学・看護専門学校での教育はどうなっているんだろう? 看護のおもしろさを伝える・感じられる教育になっているのだろうか。若い世代にもプロ意識として共有できるものはいっしょなんだ、響くんだなあなどとたくさんのことを考えさせられました。こちらこそありがとう。早速学生からメールもきて様々につながっていけるかなあと思っています。すぐに行動した学生の方、いいよ、その調子!! 今度いっしょに食事しようね。

20歳代で一度は訪問看護を経験しよう!
 私はつくづく思うのです。“看護師は、20歳代で一度は訪問看護を数年経験しよう!”と。そうすることが、看護界をどれだけ豊かにすることか。詳しくは述べませんが、様々な理由で私はそう思うのです。最近どこにいってもこういっています。このキャンペーンをやりましょうよ。
病気や病人の支援をすることだけではなく、障害のある方の日常生活支援、どういう状況の中でも少しでも前向きに生きようとする気持ち・姿勢になるように支援することなどなど、人間を幅広い視野・奥深い洞察力でみて生きることを支援する専門職なんですね、看護職は。

まあ、とにかく講師で伺うと私のほうが勉強になります。時間と体力が続く限りどこへでも伺おうと思っています。今年もよろしく!