禁煙

禁煙               2014年5月5日分

 3年ぶりに会った友人。45歳で一見人を寄せ付けないクールな感じ。でも実はとてもシャイでおもしろい男性。久しぶりに会って、風貌の変りもなく相変わらずでした。でもちょっと元気がないなあ・・・。

救急車で搬送
「何だかちょっと元気ないような気がするけれど何かあった?」
「いいえ・・・、はい・・・。実は先週救急車で運ばれて入院したんだよ」
「ええっ、どうしたの?」
「突然、動悸がして呼吸が苦しくなって、脈が200くらいになって・・・。本当に死ぬかと思った。心房細動だったんだ」
「へえー、大変だったね。生きていてよかったね。○○さんは、もともとヘビースモーカーじゃなかったっけ? たばこは辞めたの?」
「ご存じのとおり、ヘビースモーカー。退院してすぐにいつものように一日30本のたばこを吸っている。お酒も」
「医師は、タバコ吸っていいっていったの?」
「辞めるストレスが強ければ、少し吸うのはOKだって」

どうして吸うの?
 久しぶりの再会を喜び、愉快な会話を楽しむはずだったのですが、私はどうしても黙っていられずに、こんな会話をしてしまった。
「どうして禁煙しないの?」
「さあ・・・」
「みんなが辞めた方がいいというから反発して、意地を張って吸っているんじゃないの」
「・・・」
「たばこがおいしいの?」
「いつもはおいしいけれど、今はおいしくない」
「どうしても辞めたくなければ、辞めなくていいんで、2週間くらい休んでみたら」
「・・・」

今死んで悔いはないの?
なんだかはっきりしない会話。
「ねえ、聞いてもいい?」
「いいよ」
「今死んでしまうとすれば、悔いはない? 割合幸せな人生だった?」
「うん。あまり悔いはないし、今は幸せ」
「じゃあ、このまま死ぬのはOKで幸せなことなの。タバコだけが悪さをしているわけではないけれど、たぶん、健康に良くないよね。タバコを吸えなくて不幸な気分で生きるよりは、もしかして死ぬかもしれないけれど、覚悟をして吸っている方がいいってことかな」
「・・・」
「私、複雑な気持ちになってしまう」
「まあ、いいや。もうこのことはいわないね。あなたの生き方だからね」

私は、昔喫煙者だった。辞めたいと思いつつ辞められなかったが、きりのいいところで辞め始めて、すっぱりと1回で辞めることができた経験がある。辞めた経験から言いたいのは、辞めた方が何と心地いい毎日を送ることができるようになったか。
 それを伝えたいんだけれど、うまくいかない。おせっかいなのだろうか・・・。でも死んでほしくないし。