秘境に学ぶ 幸せのかたち
秘境に学ぶ 幸せのかたち 2010年10月20日分
“10月は比較的ヒマかも・・・”と思ったのは浅はかでした。どうしてそうなってしまうのか、いつのまにか手帳の空白がなくなっていくのです。周囲の人たちから「宮崎さんの○○になったら時間が空くから・・・は絶対にあてにならない」といつも呆れ果てられています。当の本人は、そんなことはなく、スケジュールに少しゆとりをもった生き方をしようと心がけているのですが・・・。
『インパラの朝』ユーラシア・アフリカ大陸684日
書店をふらふらするのが大好きな私です。ふと、その本が私を呼ぶのです。手にとってめくるとピピピと反応してしまう本があるんですよ。みなさんはそんなことがありませんか。新しい友人に出会ったときのような偶然です。
この本『インパラの朝』(中村安希著、集英社)もそうでした。私の夢の一つは、世界中の放浪(バックパッカー)です。リュックを背負って世界中を歩いてみること。どうしてそういうことをしたいのか、自分ではよくわかりません。でも若いときからの夢です。友人は、そんなことは簡単じゃないか、明日にでも出来ることなのだから“夢”ではないでしょうというのですが、まだ出かけられないでいます。
この本の著者の中村安希さんは、26歳で2年かけて47カ国を足で歩いたんです。そのリアルな記録です。私は今54歳ですが、胸をわくわくさせながら読み進みました。まるで自分が巡っているような気分でした。中国・チベット・インド・中東の国・アフリカ・・・とユーラシア・アフリカ大陸。命が危ないのではと思うような場面に出会ったり、病気になったり、やむを得ず2度ほど「結婚」したり、入国不可能だといわれている国に入ったりとすごい度胸の持ち主だ。
考えさせられるテーマがたくさんありました。国際協力の姿・・・。「価値観の違い」などという表現では表現しきれない人間の生きる根っこの違い・・・。
『秘境に学ぶ 幸せのかたち』
テレビ東京『世界の秘境全集』デイレクターの田淵俊彦氏が書いた本です。秘境に魅せられ約20年間にわたって世界79カ国を駆け巡り撮影してきた人が、文字で「幸せとは何か」「豊かさ」「信じる」「家族」「自然との共生」などについて表現している。
私は、“自分の人生観が変わる”、あるいは“人生観を再認識する”というような気持ちで読み進みました。今の日本の社会のありようにどうしても頷けない。何かが違うといつも思っているが、その中であくせく動いている自分。そんな私の奥深いところに潜んでいる何かを呼び覚ますような刺激的な内容。
「未開の秘境と進化した社会とは違う」「そういう地域はまだあるし、それはそれで大事にするが・・・」などと、自分の今の生活と切り離して考えるのではなく、大事な何かを感じ、そして目線や動きを変えなければならないのではないだろうかと思いました。本だけではなく、DVDもぜひ観てみたい。
日本に住む私たちに入ってくる情報というのは、限られたほんの一部の地域のこと。地球上のさまざまな地域、私たちには信じられない価値観で自然といっしょに生きている膨大な数の人間。
こういう本を読んで読後感を喋りあいたいなあ~。