訪問看護ステーション、半年で閉鎖
訪問看護ステーション、半年で閉鎖 2014年1月25日分
前回は、訪問看護師が突然、会社から解雇されるということを書きましたが、その逆もあるのです。
開設が多くなっているのですが、閉鎖もあるのです
時々、書いたりしゃべったりしていますが、ここ2~3年、全国の訪問看護ステーションの開設数がかなり増えているのです。長年伸び悩みだった訪問看護ステーション数が増えていることは、とてもうれしいことです。(訪問看護推進の仕事をしている私としては、とてもうれしいことです)
昨年4月1日現在、届け出数7,042か所、実働数6,801か所です。届け出数が7,000か所を超えたのは、史上初めてです。2012年4月からの1年間で759か所が新規開設したのです。
ところが、同じ一年間に廃止している訪問看護ステーションが209か所あるのです。(実質約500か所の増加)
廃止・閉鎖の理由はいろいろ
廃止・閉鎖の理由は、はっきりとはわからないので推測してみると、いくつかの群に分かれると思います。
一つは、看護師不足で長期に補充できる見通しがないので、廃止する。(また開始する可能性がある場合は、休止届となる)
二つ目には、2か所を合併し1か所にするという場合。経営効率を考えると事業所規模を大きくする方向に向かい、合併することがある。
三つ目には、法人の種類が変わること。それまで医療法人だったのが、法人の戦略で介護保険関係部門を別会社を作りそこで運営する場合。医師会立の訪問看護ステーションが、かなり株式会社に移行している。事業者が変わるときには、一度廃止・閉鎖の手続きをして、新たに開設するという扱いになる。
半年で閉鎖
もう一つ、最近目立つのが、新規開設したのに半年後には閉鎖するというところです。この業界と全く違う一般企業の方々からの相談・問い合わせが多いのです。ちょっと社会で注目されているからなのか、「儲かるらしい」「新たな事業展開分野を探している」「どういうふうに開設すればいいのか」などという問い合わせです。
あまりよくわからずに、看護師を3人程度雇用して新たに訪問看護ステーションを開設しているところもあります。ところが、利用者が集まらず収入が少ない。その上、看護職の雇用の仕方がうまくなく、看護師が退職したいと申し出るそうです。看護師は売り手市場ですのでいやな仕事はすぐに辞める傾向があります。(すぐに仕事は見つかるので)それで次の看護師が募集しても集まらなくて、訪問看護ステーションの人員基準を守ることができず、廃止せざるを得ないという状況のようです。
看護師を“扱う”のは、たいへん! とよく言われます。給与も安くないですし(極論ですが、安い給与でしか働かない看護師は、そのなりの仕事しかしない・・・)、一般企業の常識やルールとは全く違うと思います。企業側見ると、「看護師は、すぐ辞める。補充ができない」「いうことをきかない。自分がやりがいはよくやるがそうでないと・・・」「とにかく看護師はよくわからない・・・」などといわれているようです。
この1週間で2つのうわさを聞きました。「開設して半年で廃止・閉鎖があったんですよ」というものです。