迷ったら気持ちが楽になる方を選ぶ
迷ったら気持ちが楽になる方を選ぶ 2015年3月15日分
平成26年度厚生労働省老人保健健康増進等事業(研究事業)で、『認知症の早期診断、早期対応につながる初期集中支援チーム設置・運営に関する調査研究』を全国訪問看護事業協会が研究主体で、委員長を私が務めさせていただいています。この詳細については、報告書が出来上がってからここで紹介します。
その研究の成果物の一つとして、認知症の人の家族向けに『こんなカン違いや思い込みしていませんか?』という小冊子を作成中です。この作成途中で出会った、このアドバイスがとてもいいと思ったのです。
介護サービスを使いことや施設に入れることに引け目を感じる
「認知症で要介護3の母を自宅で介護しています。親戚の手前、介護サービスを利用することや施設に入所させることに引き目を・・・・」という質問に対しての答えを、研究委員の一人が文章案を書いてくださったのです。
・「困ったら誰かの力を借りる」
・「選択に迷ったら気持ちが楽になる方を選ぶ」
・「苦しくなったらその場を離れてみる」
24時間、365日の介護は、身体的にも精神的にも大変です。具体的な介護も大変ですが、“責任を持って介護する”ということがとても負担だと思います。
そんな重圧感をお持ちのご家族に、上記のようなアドバイスがいいのではないかという提案なのです。
とてもいいアドバイスだと私は思いました。“ええっ、苦しくてもガンバレ”ではなく、逃げていいの? と。「いいんですよ」とアドバイスしましょうよ。
迷ったら気持ちが楽になる方を選ぶ
特に「迷ったら気持ちが楽になる方を選ぶ」は素晴らしい。家族がどれほど気持ちが楽になる・・・。
このことは、介護に限らず生きていくこと全般に共通するのではないでしょうか。若い時には、そうもいかなくて、我慢してでもやらなければならないことを選ばなければならないことが多いかもしれません。しかし、一定の年齢になると、無理をせず、自分の気持ちが楽になる方を選んでいいのだと思います。私自身もそんなふうに生きてこなくて、返って難しい選択をする方が人生にとって重要だなどと思っていたような気がします。それがそうではなく、“楽な方を選んでいいんだ”というのは新鮮です。
自分が思い込んでいる価値観を、ふと立ち止まって『本当にそうなんだろうか』と問いただしてみることは大事なことかもしれませんね。