都議会議員選挙の結果を見て

都議会議員選挙の結果を見て   7月15日分

 毎日のマスコミ報道は総選挙・政治の変換のことが多いです。それはもちろん必要なことです。先日の都議会議員選挙も大々的に報道されました。政治・政党そのものについてはここでは私は言及をしませんが、感想をちょっとだけ述べます。

ご存知の通り、結果は自民党大敗、民主党圧勝、公明党議席増、共産党議席減、社民党議席獲得ならずです。総選挙前哨戦といわれ、その結果、8月末の総選挙が確定したところです。

変わらないと思っていた・思っていることが変わる
 私は、小学生のころから日本の社会が何か変だと思っていました。一生懸命働く者が報われず、遊んでいい加減に生きている人がどこからかお金が舞い込んでくる周囲の実情をおかしいと思い変革しなければならないと。正直に一生懸命生きる人間がそれなりに生きていける社会にしなければならないと、子どもながら思っていたのです。親戚や周囲に政治家はいませんでしたが、私自身の中からわいたわけではないでしょうから自覚はしていませんが誰かの影響は受けているのでしょう。
 自民党員の個人はいい人もそうでない人も知っています。私の考えでは、個人ではなく、自民党のその発生や性格からして弱い立場の人間を守ることや環境を守る政策をどうしてもでききれないと思っています。「お金」「利権」「権威」が大きく絡む・左右される社会は、大事なものが切捨てられる。だから、私は自民党にはずっと反対してきました。それは今も変わりません。
正義とか正直とか言う言葉が通じない腐敗・汚職・うそ・だましなど人間社会で醜いとされていることがまかり通るような政治の世界。普通に考えると当たり前に思うことが通じなくて結果的にどうしても政治が変わらないという状況が50年余続いているのです。いくらがんばっても変革できない、なんともいえない無力感。
 それが、今度の総選挙で変わるかもしれない、絶対に動かないと思っていた石が動くかもしれないということが見えてきたようなのです。自民党に変わると予測される民主党が果たして自民党とどれだけ違うのか、市民の言葉と常識が通じる政治が行えるのか私は???の部分はある。しかし、とにかく半世紀続いた政治体制が変わる可能性があることには目を見張りたいと思う。

若い政治家に期待と一抹の不安
 都議会議員選挙で気になったのは、若い議員の立候補と当選のこと。20歳代・30歳代の若い男女の当選が目立った。若くして政治家を志すことが悪いとは思わない。むしろ若いときからきちんと政治に目を向け、自分自身の意見をきちんと持つことはとても大事でみんなにそうなってほしい。
 しかし、政治家とは何をする人か、そのためにどういう資質が必要か。じっくり考えなければならないと思う。時流に乗り、一時の勢いだけで政治家になっていないのか。政治家の中には、選挙民の票だけ気にして顔見せ挨拶だけして歩く政治家、エステに通って顔のしわ伸ばしに精を出している政治家、威張って周囲を怒鳴り散らしている政治家(自分が偉いと勘違いしている)、若さだけを売り物にしてイメージと勢いしかない政治家・・・聞くに耐えない話しをよく聞く。本物の筋の通った政治家を目指してほしいと思う。

政治家に必要な資質
 私が思う政治家に必要な資質をいくつかあげると、次のよう。
①『歴史の目』と『世界の目』で、現実を見る姿勢と勉強する姿勢
 一つの問題をどう解決するか。単純ではない。それを縦軸である歴史的な視点で、横軸である地球上の世界の視点からみて熟考して見出していくことが大事だと思う。そのためには労をいとわず勉強し続け、探求し続ける資質が求められると思う。周囲・秘書にやらせるのではなく、自分が中心になって行う姿勢が重要。
②自分の視線・立場をどこにおくかが決定的
 日本の社会全体をよくしていこうということはみんなが発する言葉。その中で私が思うのは、弱い立場といわれる人(自分自身の力ではどうしても生きにくい人)、個人のせいではなく社会のあり方の矛盾をもろに受けて生きにくい思いをしている人、言い方を変えれば社会保障の対象者の視線に自分の身を置き、国全体を見ていく姿勢が非常に大事だと思う。
 今回当選した若い議員と同世代の若者がどういう状況に置かれているか。身の回りにそういう人がいないとなかなか実感できないが、想像以上に深刻。もしかしたら、議員になったあなたが派遣村に行かなければならないかもしれない。議員と仕事がなくてネットカフェ暮らしをする人は表裏一体という日本の実情だと思う。議員になった若手議員が『勝者』ではないということの自覚とその実態をきちんと身をもって実感することが重要だと思う。
財源・経済云々はもちろんいろいろある。それはそうだが、成熟した人間社会の仕組みつくりをする責任ある立場としては、このことをしっかりと土台にすえなければならないと思う。
③一市民として、人間として恥ずかしくない生活・生き方をすること
 「うそをつかない」「ごまかさない」「だまさない」「いじめない」「威張りちらさなさい」などという、政治家の前に当たり前の一人の善良な市民であり続けることが大事ではないだろうか。

 暑くなってきました。どうぞご自愛を!