釣り

釣り               9月25日分
 
 毎日忙しそうに過ごしています。『忙』しいというのは、心を亡くすと書くので、心を亡くしたくないので、なるべくその言葉を使わないようにしようとしています。しかし、どういう言葉を使おうが、時間がなく何かに追われるように過ごしている実態はあるのです。
 どうして時間がないのだろうか。仕事をしているから=もちろん! 講演も今年の秋は多くて、東京にいる暇がないくらい。原稿も書いているし、知人の本の出版の段取りも手伝っている。被災地支援も・・・全国からのさまざまな相談ごとも一生懸命受けています。家の花の手入れも金魚の世話も・・・毎朝の人参ジュースも・・・。シャンソンもマジックも・・・。
 基本的に『欲張り』なんですね、私って。生きることに欲張りなんだわ。この宮崎和加子に付き合う私は結構大変なんです。体力もなくなってきたし。でもどうしても動いてしまう。動かないでいられないんだね。マグロのように死ぬまで動き回る・・・。

でも実はたくさん遊んでいるのです
 遊ぶのが大好き人間なんですね。時間を見つけては実は本当に遊んでいる。それも中途半端じゃないんですね。困ったものです。
 先日、釣りをしたんです。私はつりの趣味はないんです。夫が好きなので時々同行させてもらうのです。今回は、函館に行かせて頂きました。数週間前に函館に講演で呼んでいただき、そこで知り合った方々ととても親しくなり、そして釣りの話になったら、「宮崎さん、カレイが時に百匹も釣れるんですよ」という言葉に舞い上がってしまいました。その場で夫に電話して、空いている日を調整して、早速手配を全部お願いして連れて行っていただくことになったのです。会って一日目の人に何とズーズーしいかと思うでしょうし、そんなことをするのは常識はずれだとお思いになるかもしれませんが、この性格なのです。すみません。夫や息子と釣り仲間と函館を基点に釣りに出かけたのです。

この上ない釣り日和
 夜中の2時30分に函館のホテルを出て、真っ暗い中を車で2時間。5時、八雲港から借り切った船で沖に向かう。空はだいぶ明るんできた。ここは、   内海海(みなさん、噴火湾と呼んでいました)。北海道の地図を頭に描いて下さい。菱形の一番下の室蘭から西の函館の方にある湾です。
 海の上から陸を見ると、独特の風貌の駒が岳がくっきりと見え、海岸線の町がきれいに見え、雲がきのこのような形でモクモク生えるように出没する。朝日が赤々とそこら中を染める・・・。何と雄大で素晴らしい景色なのだろうか!
みんな感嘆! 声も出ないほど。自然と一体化しているというんだろうか・・・。
 さあ、釣りが始まった。始まって数分もしないのに『あたった!』と、カレイを釣り上げる人が出た! すご~い!! 私もみんなのまねをして糸をたらして感触を探った。「あっ、これかもしれない、あたるとは」それで引いてみた。「わあーっ、釣れた! みて!みて! 私釣れたよ!!!」と大騒ぎ。釣れたんです!


 私は山育ちだから、海のことはほとんど知らない。釣りの時に、海の表面が穏やかに滑らかにやさしく包み込み、時にお日様の光でキラキラ光る。「きれいいだねー。なんともいえないねー。何だか幸せだねー。」などと私がしっとりしていたら、「これが凪っていうんですよ」と案内してくださった方が教えてくださった。そうかー これが凪かー。

44匹も釣ったんです
 11時まで釣りを楽しませていただき満喫しました。堪能しました。みんなで収穫量を披露しあったところ、何と私が一番釣ったようでした。その数44匹! 百匹には届きませんでしたが、大満足。私ってたぶん、要領がいいというか、魚に好かれるというか、よくそういうことがあるんです。
 とにかく、全員大満足の釣りでした。その段取りをして下さった素敵な若狭さん、そして全面的にサポートしてくださった友人のみなさん、そして全面的に受け入れてくださった七飯町で介護事業を展開している社長さんはじめ皆様、ありがとうございました。皆様がいたから実現したことです。一生忘れません、この感激。
 翌日、腸等をとってそのまま食べられるようにしてクール便で家に届けてくださいました。数十匹のカレイを、我が家では家族全員集合で、刺身・煮つけ・から揚げ・焼きカレイにして、たらふくいただきました。その上、一夜干にすべく編み籠に入れてベランダで干して、立派なカレイの一夜干を作りました。家の冷凍庫で眠っています。

九州の不知火海での太刀魚釣りも、東京湾のふぐ釣りもとても楽しかったけれど、北海道でのカレイ釣りも忘れられないリッチな気分の一日でした。ありがとうございました。