ナイチンゲールの市街戦 2014年12月15日分
訪問看護のことがマンガになった。業界ではなく、一般向け出版物としてマンガで登場。『ナイチンゲールの市街戦』第1巻。<訪問看護師の奮闘を描く新医療ドラマ>(鈴木洋史原作、東裏友希作画/小学館)さて、どのような姿で登場したのでしょう。
「ナイチンゲールになりたいんです」
主人公は、宮間美守(25歳)。病棟勤務を3年経た看護師。研修期間でもドヂばかりで先輩ナースからも呆れかえられる。美守がなぜ訪問看護師になりたかったかといえば「ナイチンゲールになりたいんです」と。そして、「看護の理想はね。訪問看護師は『生きる』手伝いをすること」とも。
ごみ屋敷に住む利用者、介護疲れの独身の息子さんとのかかわり、事故で寝たきりとなった若い女性、胃ろう増設するかしないか・・・。普段の訪問看護で出会う利用者さんとの関わりが描かれている。きれいごとではなく、しかしうそでも悲惨でもなく・・・。
日焼け対策をしたり、合コンに出かけたりと仕事だけではない美守の姿もありのまま。
フィールドナース
私が、おもしろいと思ったのは、「訪問看護師」のことを『フィールドナース』と表現していること。一般的には「home nurseホームナース」「visiting nurseヴィジテイングナース」「district nurse 地区看護師」などと表現されているのに、全く違った見方でおもしろいし、いいなあと思った。
また、〝街中の家が看護の現場になり得るアウェーでの戦い・・・つまり市街戦“とも。こういう発想で訪問看護のことをとらえて、若いナースたちにも興味を持ってもらって若いうちに一度は、訪問看護の現場で働いていただきたいとつくづく思う。
訪問看護を知っていただくのにちょうどいい本
ケアマネさんや利用者・家族、一般市民のみなさんに、訪問看護を知ってもらうのに、ちょうどいい本だと思う。新人訪問看護師、学生その他、読後も話が尽きない内容だと思う。
誰かがいっていた、医者の『ブラックジャック』のような存在、と。
美守、ガンバレ! と声援を送りたくなる本。