2015介護報酬改定

2015介護報酬改定        2015年3月25日分

 今年は、3年に一度の介護報酬改定。その報酬改定の詳細が発表されている。全体的にはマイナス改定で、介護サービス事業者は経営的に厳しい状況におかれ、事業所を閉鎖するところもあるだろうといわれている。訪問看護事業所(訪問看護ステーション)からみるとどう見えるのか、私個人の見解をちょっとだけお伝えします。

看護体制強化加算
 目玉は、何といっても『看護体制強化加算』。中重度者を一定人数以上対象としていると加算が算定できるというもの。算定要件が3つあるが、詳細は別途紹介する。一人300単位で介護保険の対象者(予防とは別だが)全員に算定できるので、結構大きい額となる。

通所介護の看護師と兼任
 通所介護(通称、デイサービス)の看護の機能を、訪問看護事業所で担当できるようになること。早速、通所介護の事業所から訪問看護ステーションに週数回担当してくれないかという依頼がきているという。
 同じように、小規模多機能サービスの看護の機能と訪問看護ステーションを兼ねることができるようになるなど、変化がある。

看護小規模多機能サービス
 『複合型サービス』が名称変更になり『看護小規模多機能型居宅介護』となる。制度発足3年になり、事業所数は微増だが、このサービスの有効性・効果が評価され、「訪問看護体制強化さ加算」など加算が新設された。反面、医療ニーズの高い利用者が多くないところは減算となる。

その他
 他に、訪問看護事業関連では、医療機関からの訪問看護の単価が若干アップすることや、リハビリ職の報酬が見直された(下がった)ことなどがある。その他にも集合住宅への訪問単価が減額、あるいは別体系になることや加算が区分支給限度基準額「外」のものが増えたり、地域区分の変更など、詳細にみるとさまざまな変更がある。

全体的に思うこと
★包括ケアと包括報酬
 全体的に、「包括ケア」と「包括報酬」の方向に向かっているように見える。看護職不足も関係して、個別の看護職員配置基準を緩和して「兼務」が多くなっている。地域の中にちょっと大きめの看護職集団(訪問看護ステーションはもちろん)が、さまざまな事業所の利用者のケアを担当するという方向だろう。その方向を私は悪いとは思わない。地域全体を視野に、居場所が違い、サービスが違ってもそこに住んでいる要介護者・病人の生きることを支え、自分らしく生きらるように支援する看護職がチームで広い視野で支援できることはさまざまな意味で有効だと思う。

訪問看護への期待を感じる
 全体的に、医療ニーズの高い方を地域でどう支えて、本人が望む生き方を支援していこうとするときに、『看護』は欠かせない。訪問看護が活性化している地域とそうでない地域とでは、地域包括ケアの姿が大きく違い、その成否が分かれるかもしれないといえるかもしれない。
 とにかく、訪問看護への期待を感じる改定内容だと思う。