3か国語の「きよしこの夜」
3か国語の「きよしこの夜」 2015年12月15日分
クリスマスの時期になり、「きよしこの夜」の歌を聞くと、思い出すことがあります。
それは、20数年前。当時、我が家のリビングの壁に『今月の歌』というコーナーがありました。子どもの小学校の音楽の教科書を見たところ、日本の唱歌があまりなかったのです。日本の唱歌と呼ばれるものには、素晴らしいものがたくさんあるのに残念。子どもたちに少しでも伝えなければ・・・と、ちょっと考えた策が『今月の歌』なのです。
『早春賦』から
一番はじめは、3月で『早春賦』です。「春はなのみの風の寒さや・・谷の鶯 歌はおもえど・・・」で始まるあの曲。あの歌詞を使い古しのカレンダーの白い裏にマジックで書きました。それを壁に貼って、ある日曜日、家族5人がそろった夕食の時に、「さあ、きょうから今月の歌というのをはじめるよ。今月の歌の早春賦を。まず、おかあさんが歌ってみるからね」と私がみんなの前で心を込めて恥ずかしがらずにこれ以上うまく歌えないほどに歌ってみました。
そしたら、夫が「この歌の歌詞の意味はみんなわかりにくいだろうから説明するとね・・・」と文語調というのだろうか、昔の言い回しの意味をていねいに説明したのです。
その後、子どもたちと何度か歌いました。その日だけでは覚えきれないのは当たり前で、ことあるごとに歌うのです。たとえば、車の中とか・・・。
次の月の「今月の歌」になることは、みんなが早春賦を暗譜して歌えるようになっているのです。おもしろいものです。この時期覚えたものはたぶん一生モノでしょう。
12月の歌『きよしこの夜』
忘れもしない、12月は「きよしこの夜」にしたのです。それも日本語ではつまらない。英語だけでもつまらない。そうだ!ドイツ語でも覚えてしまえ! ドイツ語と英語と日本語の「きよしこの夜」を歌えたら自分も毎年楽しいし、人気者になれるし、かっこいい! と。
それで、長男は何かと忙しかったので「日本語」担当で、次男がドイツ語担当、三男が英語担当になったのです。三男が保育園のころです。意味がわかろうがわかるまいが、どこの言葉だろうが、子どもはあっという間に覚えることはわかっていました。お風呂の中でも食事の後もよく歌ったわ・・・。
そして、その年の我が家のクリスマスパーテイで5人でうまく歌えたのです!
その中でも一番暗譜したのは誰だったでしょう? そう母である私だったのです。おかげで今でも3か国語で暗譜で歌えます。
こんなことを楽しんできたのだったなあ。クリスマスシーズンになると毎年思い出します。ちなみに、ドイツ語と英語の歌詞を書いておきます。どうぞ挑戦してみてください。
STILLE NACHT, HEILIGE NACHT
シュティレ ナハト、ハーィリゲ ナハト
Stille Nacht, heilige Nacht,
アレス シュレーフト、アィンザム ヴァハト
Alles schläft, einsam wacht
ヌーァ ダス トラォテ、ホーホハィリゲ パーァ
Nur das traute, hochheilige Paar,
ホルデァ クナーベ イム ロキゲン ハーァ
Holder Knabe im lockigen Haar
シュラーフ イン ヒムリシェァ ルゥー!
Schlaf in himmlischer Ruh!
シュラーフ イン ヒムリシェァ ルゥー!
Schlaf in himmlischer Ruh!
Silent Night by Josef Mohr 静かな夜(きよしこの夜)
Silen night, Holy night, 静かな夜、聖なる夜
All is calm, All is bright 全てが静かで、全てが輝いている
Round yon Virgin Mother and Child あの聖母と御子の回りを取り巻こう
Holy infant so tender and mild 聖なる幼な子は優しく穏やかに
Sleep in heavenly peace, 天国のように安らかに眠っている
Sleep in heavenly peace 天国のように安らかに眠っている